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オフィスの防災備蓄リストはどう作る?必要量の計算方法から管理のポイントまで解説

  • 執筆者の写真: できるくん ホームページ
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  • 2025年12月16日
  • 読了時間: 11分
オフィスの防災備蓄リストはどう作る

地震や水害などの災害時、オフィスに従業員を安全に留めるための防災備蓄品の準備は企業にとって重要な責務です。しかし「何をどれだけ用意すればいいのか」「保管場所はどこが最適なのか」と悩む担当者の方は少なくないでしょう。


東京都では3日分の備蓄が推奨されていますが、具体的なリストや必要量の計算方法が分からず困っている方も多いはずです。


そこで本記事では、オフィスに必要な防災備蓄品のリストと従業員規模別の必要量、効果的な保管場所や管理方法まで徹底解説します。


オフィスに防災備蓄が必要な3つの理由


企業における防災備蓄は、従業員の安全確保と事業継続の両面から欠かせない対策となっています。ここでは、なぜオフィスに防災備蓄が必要なのか、その根拠と重要性を解説します。


法令・条例で定められた企業の努力義務


東京都帰宅困難者対策条例では、事業者に対して従業員の3日分の食料・飲料水などの備蓄を努力義務として定めています。2011年の東日本大震災で多くの帰宅困難者が発生したことを受けて2013年に施行されました。他の複数の自治体でも似た条例が制定されています。


努力義務のため罰則規定はありません。しかし災害時に備蓄がないために従業員に被害が出た場合、企業は安全配慮義務違反を問われる可能性があります。また社会的責任を果たしていない企業として評価が低下するリスクも考えられるでしょう。


BCP対策としての防災備蓄の重要性


BCP(事業継続計画)とは、災害などの緊急事態でも業務を継続または早期復旧させるための計画を指します。防災備蓄はこのBCPの基盤となる重要なポイントです。


従業員が安全にオフィスに留まれる環境があれば、災害後の事業復旧を迅速に進められます。取引先への影響を最小限に抑えることができ、企業の信頼性維持にもつながるでしょう。逆に備蓄がない場合、従業員の安全確保ができず事業再開が大幅に遅れる恐れがあります。


72時間の壁と一斉帰宅抑制


大規模災害発生後の72時間は、人命救助の最重要期間とされています。この時間内に救出された被災者の生存率が極めて高いためです。


災害直後に従業員が一斉に帰宅しようとすると、道路が混雑して救急車や消防車の通行を妨げてしまいます。結果として本来救えるはずの命が失われる事態を招きかねません。そのため企業は従業員を安全な場所に3日間留める「一斉帰宅抑制」が求められています。


防災備蓄の必要量を正しく計算する方法


防災備蓄の必要量を正しく計算する方法

適切な備蓄量を把握することは、過不足のない準備の第一歩となります。ここでは従業員規模別に具体的な計算方法を解説します。


基本の計算式は1人あたり3日分


防災備蓄の基本は「従業員1人あたり3日分」です。飲料水は1人1日3リットルが目安とされており、3日分で9リットルになります。食料は1日3食として3日分で9食分が必要です。


来客や取引先が被災する可能性も考慮して、基本の従業員数に上乗せして計算するのが望ましいでしょう。リモートワークを導入している企業では、実際の出社率に応じて計算する方法もあります。


従業員規模別の具体的な必要量


20人規模の事業所では、水が20人×9L=180リットル、食料が20人×9食=180食分必要です。2リットルのペットボトル6本入りで15箱程度になります。


50人規模では水450リットル、食料450食分が必要となり、保管スペースは横幅約2メートル程度を確保する必要があるでしょう。100人規模になると水900リットル、食料900食分となり、専用の備蓄スペースの確保が欠かせません。


業種や立地による調整のポイント


24時間稼働のオフィスでは、夜間勤務者の分も含めて計算する必要があります。商業施設や小売店など不特定多数の来客がある業種では、顧客支援の観点から通常より多めの備蓄を検討しましょう。


ハザードマップで浸水リスクが高い地域では、水害対策として高所に保管できる量を考慮することも重要です。


オフィス防災備蓄品の完全リスト


ここからは実際に準備すべき防災備蓄品を、カテゴリ別に詳しく解説していきます。優先順位をつけながら計画的に揃えていきましょう。


生命維持に必須の水と食料


防災備蓄の中で最も重要なのが飲料水と食料です。これらがなければ3日間の待機は不可能になります。


保存水の選び方と必要量


1人あたり1日3リットル、3日分で9リットルが基準となります。500mlサイズは持ち運びに便利で配布しやすく、2リットルサイズは調理用や複数人での使用に適しています。両方のサイズを組み合わせて備蓄するのがおすすめです。


保存期間は5年から10年のものを選びましょう。長期保存が可能な防災用の保存水は、通常のミネラルウォーターより割高ですが、入れ替え頻度を減らせるメリットがあります。


非常食の種類と保管のコツ


1人あたり1日3食、3日分で9食分を用意します。アルファ米は水またはお湯で戻すだけで食べられ、保存期間も5年程度と長いため主食として最適です。


乾パンや缶詰、レトルト食品も備蓄に適しています。ただし缶詰は缶切りが不要なプルトップ式を選びましょう。食物アレルギーを持つ従業員がいる場合は、アレルギー対応食品も準備する必要があります。


栄養バランスも考慮して、野菜ジュースやビタミン類を補える食品も加えると良いでしょう。


身の安全を確保する防護用品と救急用品


災害発生直後の安全確保には、適切な防護用品が欠かせません。これらは従業員全員分を用意する必要があります。


防災用ヘルメットと保護具


地震による天井や照明の落下から頭部を守るため、防災用ヘルメットは全従業員分が必要です。折りたたみ式のヘルメットなら省スペースで保管できます。


軍手や作業手袋は瓦礫の除去や応急処置の際に必要となるでしょう。防塵マスクは粉塵や煙から呼吸器を守り、レインコートは雨天時の避難や屋外作業時に役立ちます。


応急処置セットと常備薬


救急箱には包帯、ガーゼ、絆創膏、消毒液、はさみなどの基本的な医療用品を揃えます。災害時は救急車の到着が遅れる可能性もあるため、応急処置ができる体制を整えておきましょう。


胃腸薬、解熱剤、鎮痛剤などの常備薬も必要です。オフィスビルにAEDが設置されている場合は、その場所を全従業員に周知しておくことも重要になります。


トイレと清潔用品


災害時は水道が止まり、トイレが使えなくなることも珍しくありません。衛生環境の維持は健康を守る上で極めて重要です。


簡易トイレの必要数と種類


1人1日5回の使用を想定し、3日分で15回分を用意します。簡易トイレには凝固剤タイプ、袋タイプなどがあり、臭い対策がされているものを選びましょう。


トイレットペーパーは2人で1ロールが目安となります。ウェットティッシュや汗拭きシートは入浴ができない状況で衛生を保つために必要です。


女性従業員への配慮


生理用品は女性従業員の人数に応じて十分な量を用意しましょう。個人差があるため、多めに準備しておくと安心です。


歯みがきセットやタオル、ティッシュなども衛生管理に欠かせません。ゴミ袋は大容量のものを多めに用意し、衛生的な廃棄物管理ができるようにします。


照明・通信・電源機器


災害情報の収集と従業員との連絡手段の確保は、適切な判断と行動のために不可欠です。


ラジオと照明器具


携帯ラジオは災害情報や避難情報を得るための重要なツールとなります。手回し充電式なら電池切れの心配がありません。事前に電波の入る場所を確認しておきましょう。


懐中電灯やランタンは停電時の照明に必要です。LEDタイプは長時間使用でき、乾電池は各種サイズを多めに備蓄しておくと良いでしょう。


通信機器の充電対策


モバイルバッテリーは従業員のスマートフォン充電に役立ちます。ソーラー充電器や手回し発電機があれば、長期間の停電にも対応可能です。


家族との連絡手段確保は従業員の安心につながり、落ち着いた行動を促すことができます。


避難生活を快適にする寝具と防寒具


オフィスで3日間過ごすためには、最低限の快適性を確保する必要があります。


毛布やブランケットは就寝時だけでなく、防寒対策としても重要です。簡易マットがあれば床で休む際の負担を軽減できます。


アルミブランケットは軽量でコンパクトながら高い保温性があり、冬季の災害時には特に有効でしょう。カイロも防寒対策として備蓄しておくと安心です。


効果的な保管場所の選び方


効果的な保管場所の選び方

せっかく備蓄品を用意しても、災害時に取り出せなければ意味がありません。ここでは保管場所の選定ポイントを解説します。


分散配置でリスクを軽減する


防災備蓄品は1か所に集中して保管せず、各フロアに分散配置することが基本です。地震で建物の一部が損壊した場合でも、他のフロアの備蓄品を使用できます。


エレベーターは停電時に使えなくなるため、倉庫が別階にあると重い水や食料を運ぶのが困難になります。各フロアに必要量を配置しておけば、リスクを回避できるでしょう。


用途に応じた保管場所の最適化


災害発生直後に必要なヘルメットや懐中電灯は、デスク周辺に保管するのが理想的です。すぐに取り出せる場所に置くことで、初動対応が迅速になります。


会議室は災害時に救護室や休憩所として活用できるため、毛布や救急箱を近くに保管しておきましょう。給湯室周辺には食料や水を配置すると、配給時の動線がスムーズになります。


浸水リスクへの対策


ハザードマップを確認し、浸水の恐れがある地域では地下や1階での保管を避けましょう。


建物や家具の倒壊で経路が塞がれる可能性も考慮し、複数のルートからアクセスできる場所を選ぶとより安全性が高まります。


防災備蓄品の管理と運用のポイント


備蓄品を購入して終わりではありません。適切な管理と定期的な見直しが、いざという時の実効性を高めます。


賞味期限と使用期限の管理方法


水や食料には賞味期限があり、薬には使用期限があります。チェックリストや管理表を作成して、品目ごとに期限を記録しましょう。


年1回程度を目安に定期点検を実施し、期限が近づいている物品を確認します。災害時はデジタル機器が使えない可能性があるため、アナログの管理表も用意しておくと確実です。


ローリングストック法で食品ロスを削減


ローリングストック法とは、備蓄品を日常的に消費しながら買い足していく方法を指します。期限が近い食品を従業員に配布したり、社内イベントで消費したりしましょう。


その後新しい備蓄品を購入することで、常に新鮮な状態を保てます。食品ロスの削減にもつながり、環境面でもメリットがあるでしょう。


管理体制の構築と従業員への周知


防災備蓄の管理責任者を1名定め、一元管理できる体制を整えます。責任者が異動や退職する際は、必ず後任者に引き継ぎを行いましょう。


備蓄品の保管場所や使用方法は、全従業員に周知する必要があります。新入社員が入社した際には、防災備蓄についても説明を行うことが大切です。


防災訓練の際に実際の備蓄品を使用すれば、使い方を習得でき、同時に在庫確認もできます。


防災備蓄と合わせて実施するべき対策


防災備蓄と合わせて実施するべき対策

防災備蓄だけでなく、総合的な防災対策を講じることで、従業員の安全性はさらに高まります。


オフィス家具の転倒防止


大型の書棚やキャビネットは壁に固定し、転倒を防止しましょう。ガラス飛散防止フィルムを窓に貼ることで、破片によるケガのリスクを軽減できます。


パソコンやプリンターなどの機器も、安定した場所に設置して固定具を使用すると安全性が向上します。


防災マニュアルと避難訓練


災害発生時の行動手順を明確にした防災マニュアルを作成しましょう。避難経路や一時集合場所、役割分担を定めておきます。


定期的に避難訓練を実施し、従業員が実際の状況に備えた行動を身につけられるようにすることも忘れてはいけません。訓練時に備蓄品の使用方法も確認すると効果的です。


安否確認システムの導入


災害時に従業員の安全を迅速に確認できるシステムを導入しましょう。自動配信機能があれば、災害発生時に一斉に安否確認メールを送信できます。


家族との連絡手段も確保できるよう、従業員に周知しておくことが重要です。


防災備蓄を整え企業の信頼と従業員の安全を守ろう


オフィスの防災備蓄は、従業員の命を守り事業を継続するための重要な投資です。水と食料を中心に、1人あたり3日分を基本として必要量を計算しましょう。


保管場所は各フロアに分散配置し、従業員がアクセスしやすい場所を選びます。定期的な点検と管理体制の構築により、いざという時に確実に機能する仕組みを維持できるでしょう。


防災備蓄の導入から管理まで、専門家のサポートを受けることで、より効果的な対策が実現します。PREPROでは企業様の防災備蓄導入をトータルサポートしており、従業員規模や業種に応じた最適なプランをご提案いたします。


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