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法人向け防災セットの選び方は?必要数・費用・保管方法まで解説【2025年最新】

  • 執筆者の写真: できるくん ホームページ
    できるくん ホームページ
  • 2025年12月3日
  • 読了時間: 13分
法人向け防災セットの選び方

「従業員分の防災セットを揃えたいけれど、何をどれだけ用意すればいいのかわからない」「条例で3日分の備蓄が必要と聞いたけれど、具体的にどう準備すればいいの?」。企業の総務や防災担当者には、こうした悩みを抱えている方もいるではないでしょうか。


法人向け防災セット選びには、個人用とは異なるポイントがあります。従業員の安全を守りながら、予算内で効率的に備蓄を整えるためには、企業規模や業種に応じた適切な選定が必要です。


そこで、この記事では法人向け防災セットに関わる法的なルールから具体的な選び方、コスト削減のコツまで、担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。


企業に防災セットが必要な理由と法的義務

近年、企業における防災対策の重要性が高まっています。特に大規模災害の発生時には、従業員の安全確保が企業の最優先課題となります。ここでは、なぜ企業に防災セットが必要なのか、そして法律ではどのように定められているのかを詳しく見ていきましょう。


東京都の防災備蓄義務と全国の動向

東京都では、2013年に施行された帰宅困難者対策条例により、事業者に対して従業員の3日分の備蓄が義務付けられています。これは、大地震発生時に一斉帰宅による混乱や二次災害を防ぐためのルールです。


具体的には、水や食料、毛布などを従業員1人あたり3日分用意する必要があり、対象となるのは、東京都内の事業所で働くすべての従業員です。


東京都以外でも、神奈川県や大阪府など、主要都市を抱える自治体で同様の条例が整備されつつあります。今後も全国的に企業の防災備蓄が標準化されていく流れにあると言えるでしょう。


罰則規定はありませんが、条例違反は企業の社会的責任を果たしていないとみなされ、企業イメージの低下につながる可能性があります。


BCP(事業継続計画)における防災備蓄の重要性

BCP(ビー・シー・ピー)とは、災害や事故が発生した際に、事業を継続または早期復旧させるための計画のことです。


防災セットは、このBCPを実現するための基本的な備えとなります。災害発生時に従業員の安全を確保できなければ、事業の継続どころではありません。適切な防災備蓄があれば、災害直後の混乱期でも従業員が安全に職場に留まることができ、状況が落ち着いてから計画的に帰宅させることが可能になります。


また、取引先や株主からも、しっかりとした防災対策を行っている企業として評価され、信頼性の向上にもつながると考えられます。


防災セットがないことで企業が負うリスク

防災セットを用意していない企業は、いくつかのリスクを負う可能性があります。


まず、災害時に従業員の安全を確保できないことによる、企業の安全配慮義務違反です。労働契約法により、企業は従業員の生命や身体の安全を確保する義務があるため、それを満たしていないと指摘される恐れがあるでしょう。


次に、従業員やその家族からの信頼を失うリスクです。自分の安全を考えてくれない会社だと判断されれば、優秀な人材の流出や採用活動への悪影響が考えられます。


さらに、SNSなどを通じて「備蓄もしていない企業」という情報が拡散されれば、企業ブランドの毀損につながりかねません。


法人向け防災セットと個人用の違い

法人向け防災セットと個人用の違い

一般家庭向けの防災セットと、企業が用意すべき法人向けの防災セットには、いくつかの違いがあります。この違いを理解することで、適切な防災セット選びができるようになるでしょう。


保管場所・管理方法の違い

個人用の防災セットは自宅のクローゼットや玄関先に保管し、各家庭が自己責任で管理します。一方、法人向けは専用の防災倉庫やオフィス内の指定スペースに集中して保管することが一般的です。


企業では、誰が・いつ・何を・どこに保管しているかを明確にする台帳管理が必要になります。また、定期的な点検や賞味期限のチェック、入れ替え作業を組織的に行う体制を構築しなければなりません。複数のフロアや拠点がある場合は、各所に分散配置するのか、それとも一箇所に集中管理するのかの判断も求められます。


管理担当者を明確にし、年に1回以上の定期点検を実施することで、いざという時に使えない備蓄品があるという事態を防ぐことができます。


必要な数量と予算規模の違い

個人や家族向けであれば、2人から5人程度の防災セットを用意すれば十分です。しかし企業では、従業員数に応じて数十人から数百人、大企業では数千人分の備蓄が必要になります。


予算規模も大きく異なります。個人向けなら1セット5千円から2万円程度ですが、法人向けでは数十万円から数百万円の予算が必要になります。


ただし、大量発注によるスケールメリットを活かせば、1人あたりのコストを抑えることは可能です。多くの防災用品メーカーでは、法人向けの大口割引を用意しています。また、一度に全員分を揃えるのではなく、段階的に整備していく方法も検討できます。


求められる品質・耐久性の基準

個人用の防災セットは、比較的短期間での使用を想定していることが多く、保存期間も3年から5年程度のものが中心です。


これに対して法人向けは、長期保管を前提とするため、5~7年保存可能な食品や、業務用品質の耐久性が求められます。なぜなら、頻繁に入れ替えを行うことは管理コストの増加につながるためです。


また、多数の従業員が使用することを考えると、品質のばらつきがなく、一定の基準を満たした製品であることが重要です。防災用品の品質認証マークなどの規格に適合した製品を選ぶことで、信頼性を確保できます。


法人が揃えるべき防災セットの内容


企業が用意すべき防災セットには、どのようなアイテムが必要なのでしょうか。従業員が3日間安全に過ごせるための基本セットから、状況に応じた追加備蓄まで、具体的に見ていきましょう。


全従業員に必要な最低限の備蓄品

まず全従業員に対して用意すべき基本的な防災セットの内容をご紹介します。


水は1人あたり1日3L、3日分で9Lが目安です。500mlのペットボトルなら18本分に相当します。


食料は、アルファ米や缶詰パン、ビスケット、栄養補助食品など、調理不要で長期保存できるものを選びます。3日分で9食分が基本となります。


簡易トイレは、断水時に必須のアイテムです。1人1日5回の使用として、15回分を用意しておくと安心です。


毛布やアルミブランケットは、暖房が使えない状況で体温を保持するために必要です。季節を問わず、夜間の冷え込み対策として全員分を確保しましょう。


ヘルメットや防災ずきんは、余震や落下物から頭部を守るための装備です。


懐中電灯とラジオは、停電時の情報収集に不可欠で、電池式のほか、手回し発電機能付きのものも便利です。


救急セットには、絆創膏、消毒液、包帯、常備薬などを含めておきましょう。


拠点別・フロア別の追加備蓄品

基本セットに加えて、各拠点やフロアごとに共有して使用する備蓄品も必要です。


発電機や投光器は、停電時に最低限の電力と照明を確保するための設備です。特に地下フロアや窓のない部屋では重要になります。


工具セットは、ドアが開かなくなった際の脱出や、簡単な応急修理に使用します。バール、ハンマー、ロープなどが含まれます。


女性従業員向けには、生理用品やデリケートゾーン用のウェットシートなど、配慮が必要な用品を別途用意しておくことが望ましいでしょう。


業種別に必要な特殊装備

業種によっては、一般的な防災セットに加えて特殊な備蓄品が必要になる場合があります。


医療機関では、災害時でも最低限の医療行為を継続できるよう、医薬品や医療器具の備蓄が不可欠です。ただし、医薬品にはより厳格な管理が求められます。


製造業の工場では、危険物の流出を防ぐための資材や、作業員の安全を確保する保護具を追加で用意する必要があります。


飲食業では、食品衛生を維持するための消毒用アルコールや、使い捨て手袋などの衛生用品を多めに備蓄しておきましょう


IT企業やデータセンターを持つ企業では、サーバーやデータの保護のための機器、バッテリー、通信機器などの準備も重要になります。


従業員数別に見る必要な防災セットの数量と費用相場

従業員数別に見る必要な防災セットの数量と費用相場

企業規模によって、必要な防災セットの数量や予算、管理方法は大きく変わってきます。自社の規模に合わせた適切な備蓄計画を立てるための参考にしてください。


小規模企業(50名未満)の場合

従業員50名未満の小規模企業では、全員分の防災セットを一箇所にまとめて保管することが現実的です。


必要なセット数は、従業員数に来客や取引先の訪問者を想定して、プラス10%程度を見込むとよいでしょう。例えば従業員30名なら33セットが目安です。


費用相場は、1人あたり5千円から1万円として、30名分で約15万円から30万円程度を想定しておきます。初期投資としては決して小さくない金額ですが、従業員の命を守るための必要経費と考えるべきです。


保管スペースは、2畳から6畳程度のスペースが確保できれば十分です。会議室の一角や書庫の一部を防災備蓄専用スペースとして活用している企業も多くあります。


中規模企業(50名から300名)の場合

従業員50名から300名の中規模企業では、複数フロアや複数拠点がある場合も多く、配置場所の検討が重要になります。


各フロアや拠点に分散して配置するか、本社などの中心拠点に集中管理するか、企業の状況に応じて判断します。分散配置の方が災害時のアクセスは容易ですが、管理の手間は増えてしまいます。


費用相場は、100名規模で50万円から100万円、300名規模で150万円から300万円程度です。大量発注による値引き交渉の余地も出てくるため、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。


この規模になると、防災担当者を専任または兼任で配置し、定期的な点検や更新を確実に実施する体制づくりが必要でしょう。


大規模企業(300名以上)の場合

従業員300名以上の大規模企業では、本格的な防災管理システムの構築が求められます。

全国に拠点がある場合は、各拠点の責任者と本社の防災統括部門が連携して、全社的な備蓄状況を把握できる仕組みが必要です。


費用は、500名規模で250万円から500万円、1000名を超える場合は500万円から1000万円以上の予算を見込みます。ただし、一括大量発注によるスケールメリットで、1人あたりのコストは中小企業より抑えられる傾向にあります。


専任の防災担当者や防災チームを設置し、年間計画に基づいた点検・訓練・更新を組織的に実施することが一般的です。


コスト削減のポイント

防災セットの導入コストを抑えるためのいくつかの方法をご紹介します。


まず、複数年契約や一括大量購入による値引き交渉です。多くの業者は、まとまった数量の発注に対して割引を提供しています。


次に、レンタルやリースサービスの活用です。初期費用を抑えつつ、定期的な更新や点検をサービスに含めることができるプランもあります。


また、自治体によっては、企業の防災対策に対する助成金や補助金制度を設けています。東京都をはじめ、各自治体のホームページで情報を確認し、活用できる制度があれば積極的に申請しましょう。


法人向け防災セットの選定基準

法人向け防災セットの選定基準

数多くの防災セット商品の中から、自社に最適なものを選ぶためには、いくつかのチェックポイントがあります。それらを押さえることで、失敗しない商品選定が可能になります。


保存期限と更新コスト

防災セットの食品や飲料水には、必ず賞味期限があります。5年保存と7年保存の製品では、長期的なコストが大きく変わってきます。


5年保存の場合、5年ごとに全量入れ替えが必要ですが、7年保存なら入れ替え頻度が減り、管理の手間も削減できます。初期費用は7年保存の方がやや高めですが、長期的には更新コストを含めた総額で判断すべきでしょう。


また、賞味期限が近づいた食品を使って、社内イベントで試食会を開いたり、防災訓練で実際に使用したりすることで、廃棄コストを抑えながら従業員の防災意識を高めることもできます。


賞味期限の管理がしやすいよう、同じ時期にまとめて購入するか、あえて時期をずらして段階的に購入するかも、企業の方針に応じて検討しましょう。


保管スペースと搬出のしやすさ

限られたオフィススペースの中で、防災セットをどこにどう保管するかは重要なポイントです。


コンパクトに収納できるパッケージデザインの製品を選ぶことで、保管スペースを節約できます。積み重ねができる箱型や、棚に収まりやすいサイズ設計の製品が理想的でしょう。


同時に、災害発生時に素早く取り出せることも重要です。奥深くに押し込んでしまうと、いざという時に取り出せません。アクセスしやすい場所に配置し、どこに何があるかを従業員に周知しておくことが大切です。


また、キャスター付きの保管ラックを使用することで、移動や配布がしやすくなります。災害時は混乱が予想されるため、誰でも簡単に持ち出せる工夫が必要です。


カスタマイズ性

企業によって必要な防災用品の内容は異なります。画一的なセット商品ではなく、自社のニーズに合わせてカスタマイズできる商品を選ぶことで、無駄を省き、本当に必要なものを揃えることができます。


例えば、女性従業員が多い企業では生理用品を多めに、屋外作業が多い企業では保護具を追加するなど、柔軟な対応が可能な業者を選びましょう。


また、社名やロゴを印刷できるサービスを提供している業者もあります。これにより、従業員の帰属意識を高めるとともに、万が一の際の混乱を防ぐ効果も期待できます。


オプションで追加できるアイテムのラインナップが豊富な業者を選ぶことで、将来的な拡張にも対応しやすくなります。


納品実績と信頼性

防災セットは、いざという時に命を守るための重要な備えです。そのため、信頼できる業者から購入することが何より大切です。


まず、自社と同じ業種や規模の企業への納品実績があるかを確認しましょう。実績が豊富な業者は、業種特有のニーズを理解しており、適切な提案が期待できます。


また、製品が国の基準や業界規格に適合しているか、品質認証を取得しているかもチェックポイントです。特に食品や医薬品については、安全基準を満たしていることが必須です。


口コミや評判、導入企業の声なども参考になります。実際に使用した企業の評価を確認することで、カタログだけではわからない使い勝手や対応品質を知ることができます。


適切にポイントを押さえ、防災セットを充実させよう


法人向けの防災セット選びは、従業員の命を守るための重要な核となる取り組みです。


まず、東京都の条例をはじめとする法的義務を理解し、自社に必要な備蓄内容と数量を把握することから始めましょう。従業員数に応じた適切な予算を確保し、保管場所や管理体制も同時に計画することが大切です。


また、防災セットは購入して終わりではありません。定期的な点検と更新、そして従業員への周知と訓練を継続的に実施することで、初めて実効性のある防災対策となります。


企業規模や業種によって最適な防災セットは異なります。専門業者に相談しながら、自社に合った防災対策を構築していくことをおすすめします。


PREPROでは、法人向けにオーダーメイドで防災セットを提供しています。少しでも興味がある企業様は、お気軽に無料相談をご利用ください。従業員の安全と企業の信頼を守るために、今日から防災対策を始めましょう。


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